激変の世界を俯瞰する

 現代は激動の時代である。変化が激しく、情報があふれ、時間は光陰矢のごとく過ぎてゆく。

 過去に起きた出来事が現在の世界の原因となったように、現在進行中の出来事は未来に起こる出来事の原因となり得る。現在の世界は、大小無数の因果関係を複雑に織り込みながら、新たなドラマを作り出している現場なのである。

 17世紀後半、アイザック・ニュートンは力学の法則を明らかにして、惑星の運動や海の潮汐などの物理的な変化を起こしている正体が重力の作用であることを明らかにした。

 世界は休みなく激しく変化してゆく。ニュートンが看破したように、変化の背景には力の作用がある。では、世界の激変を起こしている力の正体は何だろうか。

 その答えは四つある。

 第一の力は、地球の地殻変動、太陽の活動、小惑星や彗星や隕石の衝突が原因で起きる天変地異である。

 第二の力は、生物の活動が起こす生態系及び自然環境の変化である。

 大気に含まれる酸素は、太古の時代に地球上に大発生したシアノバクテリアが作り出したものである。また、石炭や石油などのエネルギー資源は、古代の植物やバクテリアなどの死骸が地下や海底に蓄積し、長い期間の化学変化を経て生成されたものである。

 第三の力は、サピエンスが起こす技術革新である。人類社会の進化は、農業革命、産業革命、情報革命に象徴される技術革新がもたらしたものである。

 技術革新の力とスピードは指数関数的に増大しており、情報通信革命は言うに及ばず、バイオテクノロジー、ナノテクノロジー分野においても、革命的な変化が進行している。

 第四の力は、国際社会において国が行う政治的、経済的、軍事的な行動である。

 このような激動の時代を生きるための知恵、変化に翻弄されないための知恵とは何だろうか。それは、刻々変化する現象に一喜一憂せず、その現象を起こしている力の働きを理解した上で、変化の動向を捉える努力から得られる。

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